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ポリッシャーを使っての車磨き講座。
今回はいよいよポリッシング作業へ移ります。
なお、当頁では主にポリッシャーの使い方について触れておりますが、下地処理やマスキングなど、、 下準備がまだ出来ていない方は下準備編からどうぞ。
車を磨く〜 と一言で言っても、やはり熟練の技とビギナーの出来る事とには大きな隔たりがあります。
なのでここでは、最低限やって欲しい基本を羅列しておきます。
ちなみに当サイトではシングルアクションのポリッシャーを主に使っておりますが、基本的な事項は他のタイプでもほぼ同じと言えます。
コンパウンドはやらためったら多く付けてはいけません。
多くても、一回の磨きで 「5ミリ〜1センチ」大くらいまで。(酷く大きな傷の場合はもうちょい出す事も)
多く付け過ぎても仕上がりは変わらないばかりか〜 コンパウンドが周りに散ったり カス(粉)が多く出たり 残留分がこびりついたり 余分な部分へ入り込んだり、、 良い事なにもないです。
ちなみに、コンパウンドはボディへ付ける派とパッドへ付ける派の二通り御座いますが、まあこの辺りは専門店でないかぎりどちらでも問題はないでしょう。
洗車から養生などまでしていると〜 いつの間にかボディ面へホコリやチリが舞い降りて来てもいるでしょう。
なので磨く前には、箇所箇所でエアーを吹き付けるなどして塗装表面の掃除をしてから磨くようにしましょう。(磨く都度、磨く部分だけを都度)
ホコリと一緒にバフを回すと、磨いているそばからボディを傷をつけかねませんから。
ちなみに磨いていく工程で、ある程度コンパウンドのカス(粉)も出て来ますから、そのカスも吹き飛ばしながら施行してください。
充電式を除き、ポリッシャーにはけっこう太い電源コードが付いています。
ちなみにコードがぶらぶらしていると、磨いているそばからボディへ傷をつけてしまう事も多いので、(特にボディ上面の施行時)
コードは肩へしょうような形で、背中へとぶら下げる形で施行するのがいいでしょう。(延長コードは必須)
もうこの辺りは洗車の基本中の基本。
もちろん、磨きにおいても天井やボンネットなど〜 高い部分から低い部分へ向けて順に施行して行きましょう。
ちなみに加え、磨き時には奥側から手前へと向けて施行して行くことも考えておきましょう。
機械をかかえていると、奥の方を磨くとき、意外と服がボディなどにあたってしまい 後から奥をやると、先に磨いた所が傷ついてしまう可能性ありますので。
ちょっとややこしい表現かもしれませんが、
先ず磨く箇所はA4サイズのコピー用紙程度に区切り、(大きくても4A×2くらいまで) その一区間を 一滴のコンパウンドで 一工程 × 傷や汚れが取れるまで。 の作業量として施行していくと言う事。
ちなみに一工程とは、一滴のコンパウンドを使い、磨いていくと次第に薄くのばされ乾燥していき、コンパウンド溶剤が塗面から乾燥しきって取れ 磨かれた塗装表面が見えきて、さらにコンパウンドの効き目が低下してくる状態までの事を言います。(塗面表面にコンパウンドが見えなくなっても、パッドに残っているコンパウンドがしばらく効果を持続させておりますので、表面にコンパウンドが付いていないといって過度に使用しないように)
なお一工程で傷が取りきれなかった場合には、また同じ区間を同じ感じで反復して施行し、、
そして一区間が磨き終えたら〜 次の一区間へと順次移っていくようにやっていきます。
間違っても、一気に広範囲をガッと磨いていくような動きはしないように。(言い換えれば、この区間はコンパウンド一滴で磨ける範囲内とも。 広い範囲を一気に磨こうとすると、それなりにコンパウンドを多く使わなければなりませんので、→ コンパウンドが周りに散ったり カス(粉)が多く出たり 残留分がこびりついたり 余分な部分へ入り込んだり、、 良い事なにもないです。 また一気に広範囲を欲張ると、意外とキレイに磨けないものですし)
一区間を磨く時には、範囲内を ”己” 字型に、しかもゆっくりじっくり磨いて行ってください。(その時、マシンの重みに加え、ほどよく軽く加重してください)
磨いていくスピードは、磨き始めはコンパウンドを広げるためザッとササッと磨き、本磨きは30センチあたり3秒くらいまでの速さで、傷が深い部分は10センチ当たり5秒くらいかける感じで。(加え回転スピードの調整の出来るマシンの場合には、磨き始め頃は塗装表面の状態を探るためにややロースピードで、コンパウンドの焼き付きや変な残留の仕方がなければ徐々にスピードを上げて)
回転スピードの調整が出来ないものは、トリガースイッチをちょこちょこON/OFFし、トップスピードになる前と惰性を上手く使ってスピード調整されてみて下さい。
シングルタイプのものは、回転のトップスピードが極めて高速なものも御座います。 ダイヤルなどでトップスピードの調整可能なものであれば、最大でも2000回転前後までに調整されご使用されます事を推奨。(これ以上の回転数だと発熱も半端なく焼き付きも頻発し、また切削スピードも速すぎて予期せぬアクシデントの元)
やってみるとかなりスロースピードですが、これくらいでないとポリッシャーの切削能力を引き出せないと思って下さい。(動画などでまれに、マシンを上下左右ちょこちょこと動かしたり〜 ぐるぐると回したりしている方を見かけますが、それだとマシンの回転力が分散されたりボディ表面へ向けての力が分散されてしまい〜 また均一な磨きが難しく、上手く磨けないばかりか仕上がりもイマイチとなってしまいますので、それらは決して真似しないように願います。 ちなみにかわってプロの方の動画では、デモを除きそういった動きはされていないと思われます。 機会あればぜひ観察されてみてください)
※ なお、これら磨きのスピードはあくまで目安です。 ひどい傷の場合にはもっとゆっくり、またマシンが非力なものになればなるほどゆっくりと施行、、 といった具合に、(ダブルアクションタイプのポリッシャーで傷を取ろうと思うと、かなりじっくり時間が必要です) 仕上がり具合等に応じてその度合早さは加味加減されて下さい。 また動く方向も、その仕上がり具合に応じてある程度臨機応変にご対応下さい。
一般の方にはやや分かりにくいかもしれませんが、ボディを磨き始めてボディの異変に気が付く事もあります。
細かい ”点” にコンパウンドが引っかかっているような状態、またバフが汚れてもいないのにコンパウンドかすが塗面に残留しやすいなど、、 こういった場合はボディ表面に鉄粉などの異物が残っていたり、稀に塗装面が非常に劣悪である事もあり、こういった場合は今一度念入りに下地処理され、使うコンパウンドの量を減らすなどし様子見し、それでも改善しない場合にはただちに作業を中止しましょう。 (ちなみにこういった残留物は、コンパウンドを付け指の腹でこすれば除去できますが、決してポリッシャーで強引に取ろうとしないでください。 最悪焼き付いて取れなくなってしまいます)
塗装面に何かしら残留物があるまま磨いてしまうと〜 残留物の部分だけが突起してしまったり、(周りだけが削れてしまうため) またあまりにも劣化したボディだと一般の方だと非常に難易度が高く〜 残留物や磨きムラなどが多発し取り返しのつかない事にも。。
ドアノブ裏やミラー周辺など〜 バフが上手く周り込めない箇所は、マイクロファイバークロス等にコンパウンドを適量とり無理せず手作業で磨いて下さい。
こういった奥まった箇所は無理にマシン磨きしないで下さい。
想定していない部分のエッジが削れすぎて塗装が落ちた〜 とか、汚れが余計に奥へ追いやられた〜 とか、後々けっこう面倒なことになりかねません。
角の部分や、ボディがボコッと湾曲していたり凹んでいるラインを磨くときには、回転数の調整出来るマシンなら回転スピードを十分に落とし慎重な作業を。
角やRの部分は特に塗装が削れやすく、またコンパウンドの残留焼き付きや(角度の影?になるところにコンパウンドが残留しやすくなる) パッド側面によるボディーダメージなども起こりやすく、(凹み部分) 出来るだけスロー調での施行を。
ここでも、回転スピードの調整が出来ないものは、トリガースイッチをちょこちょこON/OFFし、トップスピードになる前と惰性を上手く使ってスピード調整されてみて下さい。
もちろん過度な深追いも禁物。(特に集中しすぎて磨くとすぐに塗装落ち(下地が見えてしまう) してしまう可能性が。。)
↑ これは、右下の傷を消そうと思って念入りに磨いていたところ、上部のR部分にもパッドが当たっていたため、気付かないうちに削れやすいR部分の塗装が全部飛び、下地塗料(サーフェーサ)が見えてしまったミス例。 もちろんこうなっては塗装し直すしか改善手はありません。 チーン。
傷を爪で引っかいてみて、引っ掛かりを感じる傷は深い傷。
そんな深い傷は磨きによってある程度目立たなくなる事もありますが、完全に除去する事は出来ないと思われて下さい。
つまり、そんな傷を執ように深追いしすぎると塗装が削れ過ぎて取り返しがつかない事にもなりかねませんので、ある程度磨いたら深追いせず次へ移りましょう。(特にRになっている部分はさらに要注意。 傷に意識が集中しすぎていると磨きすぎに気が付かないばかりか〜 Rは意外と削れやすいのでかなり餌食になりやすい。 まあ上記のミス例に似たような感じかな)
ボディの塗装とバンパー等の塗装では、そもそも塗料の種類が異なります。
とくにバンパーなどの樹脂塗装は非常に柔らかく繊細で、場合によっては、ボディと同じように磨いてはいけない場合も多いです。(他にもミラー、モール、ピラーなど〜 車種によっては色々な部分にある事も)
例えば、シングルアクションでの磨きの際には、フルスピードで磨くと即 塗装表面が溶けてしまい剥がれてしまう事もあります。(ウールバフだろうとスポンジだろうと)
スピード(回転数)調整可能なタイプなら出来るだけゆっくりと、もし出来ない場合にはパワーの弱いダブルアクションマシンで磨くなど〜 慎重に施行されてください。(ギアアクションでも、執拗にやりすぎない限り大丈夫でしょう)
ヘッドライトやテールレンズなどもバフで磨けます。 この辺りまでキレイになると仕上がり具合が非常に引き締まります。 しかしこれら部品も基本的には樹脂製ですので、やはり決してボディと同じように磨かないように。 一応バンパー等の樹脂塗装ほど気を使う必要はありませんが、それでも出来るだけアタックは弱く磨かれて下さい。
作業が進んでくるとついつい熱中してしまいがちですが、、 ポリッシャーはかなりの高負荷で動き続けておりますので、30分ほど作業をしたら〜 5分・10分くらいの休憩を。 連続稼働はモーターが焼き付いたり 最悪焼損の可能性も。(マシンの振動もあるので、振動障害リスクの軽減のためにも)
磨き作業を続けていると、次第にバフが汚れてきます。 主にコンパウンドがこびりついてくるわけですが、、
ちなみに多くコンパウンドのかすがこびりついてしまうなど、バフ表面に固着したかすがボディへ傷をつけてしまいますので、ウラ面を見て固着してきている箇所があれば、すかさずバフクリーナーでクリーニングしてやってください。 また多く汚れてくるとコンパウンドのかす粉も多く飛散する傾向もありますので、この場合もあまり塗装面にいい影響をしませんので、そういった時も気が付く都度クリーニングしてやってください。(メーカーさんでは、使い方はバフを回転させながら〜 とか説明が多いですが、まずはバフを固定したままで上下左右にごしごしブラッシングし、ある程度固着ブツが緩んだ状態で中速回転除去させるのが最も効率の良いクリーニング方法です)
なお、どうしても汚れの固着が改善しない時には〜 予備やスペアのパッドと取り換えましょう。
汚れきったパットや使い終わったパットは、水洗いでキレイになります。 水に付けコンパウンドをとかし〜 とかしきれない部分は擦るなどすれば問題ないです。 ただバフクリーナーに水を付けてのクリーニングはしないでください。
汚れたままのパッドを使い過ぎていたり、ボディに何かしらの残留物が固着していた場合、(塗装ミストとか鉄粉とか) コンパウンドがそこへ固着してしまう場合があります。(コンパウンドの使用量が多すぎても)
と、こんな時には---
そこをしつこく磨くのではなく、出来るだけ早い段階で〜 指先にコンパウンドを付け指先で除去してください。(爪は立てず指の腹で) 意外と簡単に取れます。(シングルマシンを使っている場合は、ボディ表面が熱くなっていますのでヤケドには十分ご注意を) 後は緩めに磨くなどの処置を。
ちなみにしつこく磨き続けると完全に固着してしまい取れなくなってしまうばかりか、、 塗装表面までもなんだかおかしくなってきます。 ご注意を。
コンパウンドの残留の仕方が何だかオカシイな? と思ったら、早急に対応を。
もちろん鉄粉が残っているようであれば除去を、バフが汚れているならクリーニングするなども忘れずに。
パッドの使い方は基本自由です。
平面は寝かせてべったり付けで、角や奥まったところでは立てて浮かせて使ったり、、
但し、シングルアクションタイプのみは! 寝かせてべったり付けでは使わないでください。(パッド全部がボディに当たるような感じ ×)
切削力のパワーと引き換えに、パッドにかかる抵抗はもの凄いです。
また上下左右それぞれ違う方向に力が掛かり、プロの方でも その暴れるマシンを抑える事が出来ないほどに厄介となります。
もし使う機会あれば十分ご注意ください。
まあこんな感じかな。 主な基本的な部分について。
磨きが一通り終わりましたら、その使うコンパウンドの粗さにもよりますが、
より細かい番手のコンパウンドと、より細かいバフ(ウレタン系)にて仕上げ磨きをもう一工程行います。(職人さんによっては、コンパウンドのみ変えられる事も)
但し、白やシルバーなどの車体カラーの場合には、一般の方だと この仕上げの工程は抜いても問題はないでしょう。(よほど粗いコンパウンドを使っていない限り(なおよほど粗いものは当サイトでは未紹介))
また水垢取りのみみたいな、目の細かいコンパウンドやバフしか使っていない場合には、ボディカラー問わず仕上げは抜かれても問題はないでしょう。
傷を取るためのやや切削力の高いコンパウンドを使った後は、ボディへ薄く特有の磨き傷が残ることがありますので、この仕上げの工程でその傷を目立たなくしてやります。 特に濃色車でシングルタイプのマシンとウールバフを使った場合には、その跡は 「オーロラマーク」と呼ばれる独特の磨き傷が目立ちやすく、こういった場合には出来るだけ仕上げの工程を実施されておくことをオススメ致します。
ちなみに専門店などでは、その中間にもう一工程 「中間仕上げ」を行ったり、また各工程でマシンを色々と替えることも多いですが、
一般の方は、仕上げ工程は多くても一回まで、機械もマシンチェンジはせず、(シングルマシンを使った場合は除く) 同じマシンでバフとコンパウンドのみを変えての仕上げで十分だと思います。(コンパウンドチェンジのみでもOKな場合も。 但し、同種でもバフは交換してください)
↑ シングルアクション・タイプの作業動画。簡単にまとめてみました。
↑ ダブルアクション・タイプの作業動画。簡単にまとめてみました。
↑ ギアアクション・タイプの作業動画。簡単にまとめてみました。
磨き仕上げも終わりましたら〜 後はその塗装面を保護する膜が一切ない状態となっておりますので、
一般的には、コーティング剤を使ってのコーティング作業は必須と思われて下さい。
また磨き直後では、塗面には傷はもちろんのこと、ほぼ一切の油膜や汚れも付いておりませんので、コーティングをするなら一番のタイミングでもありますので、(但し、ノンシリコンタイプのコンパウンドを使った場合のみ。 安いものだとシリコンが入っているので、別途コーティング前に脱脂作業が必須となっております (なお当サイトで紹介しているコンパウンドはいずれもノンシリコンタイプです))
大半のコーティング専門店では、例えノンシリコンタイプのコンパウンドを使っていても脱脂作業を致しますが、一般の方はまあそこまで徹底しなくても問題ありません。(厳密に言えば、僅かながらも油脂分は残っていますので) もちろん専門店でも省略する場合もあるくらいですから。。
施工はいずれにしても必須とお考え下さい。
ちなみに作業は手作業でも問題ないですが、そのポリッシャーがダブルアクションタイプのものの場合には、コーティング用のきめの細かいスポンジにて塗り込み作業をやればよりいい感じかと思われます。(但し、溶剤によっては推奨されないものも御座いますので、もしご利用の際には予め各溶剤メーカーなどにてのご確認を。 またダブルアクションでもかなりパワーのあるプロタイプも非推奨)
なお、ここからはそのコーティング剤の仕様によりますが、
磨き後に一度洗車が必要なもの、洗車しないでそのまま塗面へ塗布しても問題ないものなど〜 色々と御座いますので、
必要に応じ さらに前準備を行っての施行を。(この辺りはコーティングメーカーの仕様書や施行書をご参考下さい)
ちなみに私個人的には、ここで使うコーティング剤は 「水滴が付いたままで施行でき、かつ出来れば水洗いでふき取りも出来るタイプ」を推奨します。(例: ⇒ ポリマーコート剤) 一応手作業オンリーですが、だって水洗いで余計なコンパウンドやホコリを流しつつ〜 かつ塗布もふき取りも濡れたままで出来るので 洗車&ふき取り工程が非常に楽ですので。。 (しかもムラにもなり難い) またいずれにしても一回は水洗いで細かいコンパウンドかすを取り除いたりしないといけないので、どうせ洗車やるなら出来るだけ手間のないようにやりたいですから。 (→ ただこの水洗いコーティング術はちょっとしたコツが必要ですので、ご興味あれば別途こちらをご覧下さい)
ただ専門店系のこだわり施行ではあまり見られない系ですので、一般の方向けとしての推奨までに。
これにて完成です。
サイト管理人スペック: 車屋さん下積み時代には、一時期、磨きコーティング部門の責任監督&新人研修指導にあたった事も。(地元大手中古車販売店) ちなみに業界歴は、中古車や新車はもちろんのこと、外車ディーラーの経験までも。 今は小さな車屋さんを経営しております。
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