ブリスの体験レビュー、及び分析結果

 洗車にこだわりを持つ多くのユーザーからも支持を得ている「ブリス」。家庭用コーティング・キットの中でも「プロ仕様」に近いとも言われ、ネットショッピング系を中心にかなりの売れ行きだそうです。また、販売キットの仕様や種類もかなり豊富で、ビギナーユーザーからヘビーユーザーまで、色々な消費者ニーズにも対応している商品と言えるでしょう。

@ 製品成分など

 製品用途は「自動車ボディ用保護光沢剤」。成分は「フッ素ポリマー、ケイ素ポリマー、ガラス繊維素及びセルロース繊維素」となっています。液性は中性なので「クリスタルガード」と同じような感じかな〜と思いましたが、実際に使ってみると色々な面で違いがありました〜 ^^

A 施行、作業

 実際に「ブリス」をスポンジにとって塗り始めると、揮発油?のような液体が薄っすらと広がり、他のガラス繊維系とは全く違う効果を予感させます ^^

 ・・・で、コーティング作業を進めて行く中で直ぐに体験できたのは、やはり予想通りの「コーティング・ムラ」でした。「ムラ」になりやすいとは聞いていたものの、思っていた以上に簡単に出来上がりました。私は自動車業界勤務が10年以上になり、業者用の簡易コーティング剤もよく利用しますが、私のようにある程度コーティング慣れしている人でも「ムラ」が出来るくらいですから・・・。

 色々と塗り試しているとコツがつかめましたが、溶液はかなり少なく塗布し、薄〜く薄〜く塗りのばして使います。塗っている段階では、「こんな少量でほんまに効果があるんかいな〜?」と思うぐらいの量です。他にテストしたコーティング剤は手ごたえのあるくらい使っていたのですが、同じ要領で使ったのがムラの原因のようです ^^

 しかし、「コーティング・ムラ」になりやすいのは確かな情報ですので、塗布する溶剤の量以外にも、天気や気温、ボディの温度など・・・周辺の環境にも十分に気を付けておきましょう〜 ^^)/

 ブリスはムラになりやすいので、一回の塗布量は他のコーティング・キットに比べてかなり少な目です。なのでこの少ない塗布量が関係しているのかどうかは分かりませんが、、一回のコーティング施行では光沢度・仕上りがイマイチです。ちなみにガラス系のコーティングは1週間程度置きに数回に分けて重塗施行すると光沢・効果が増えるそうですが、ブリスの場合は短時間に重ね塗りしても効果がありますので、初めてのコーティング作業時には、「塗布 → 洗い流し → 塗布 → 洗い流し・・・」を、2〜3回繰り返した方が効果的です。

B コーティング効果、特徴

 他のコーティング・キットに比べると難易度はやや高い?ようですが、ムラになりやすいからこそコーティング効果がある! ・・・という考え方もありますよね〜 ^^

 色々とテストして他のコーティング・キットと比較した結果、ブリスは「キズ消し能力」がかなり優秀という事を発見しました〜! 「キズ」と言っても磨きキズのようなかなり薄いキズですが、この「キズ消し能力」次第で仕上がりの光沢度がかなり違ってくると思いますので、かなり本格派に近いコーティング剤だと感じました。

 ちなみに、「キズ消し能力」のテストは、他のガラス系コーティング剤と同じく超微粒子コンパウンドによるボディの磨きキズにて実際に実験した結果をまとめています。磨きキズは基本的に目視で確認出来ませんが、光の反射する角度によって薄いキズが確認できます(日影では判別不可能)。(※ キズ消し能力とは、ボディ塗装のクリア層に出来た薄キズ(溝)にコーティング被膜が浸透し、クリア層の薄キズ(溝)を補修してキズを目立ち難くする能力の事を言います(キズが完全に消えるわけではありません))

 参考までに・・・、アクアクリスタルでは「キズ消し能力」を確認出来ず。

 クリスタルガードでは「キズ消し能力」を確認出来ましたが、ブリスの方がやや優秀 ^^

 光沢度のみを比較してみた所、コーティング施行後の光沢は「スッキリ?」といった印象がありました。アクアクリスタルのようなピカピカした光沢・艶でもなく、クリスタルガードのような深い光沢感でもありません。良く言えばコーティング機能を重視している、悪く言えば光沢感がイマイチといった感じでしょうか・・・。薄キズ・洗車キズの多い濃色車には「キズ消し能力」がフルに発揮されて光沢感も十分ですが、年式の新しい車や新車など、ボディの塗装状態が良好な車には少し物足りないかもしれません。


ブリス(中央より左側)

クリスタルガード(中央より左側)

 (↑ 小キズの多い車にてコーティングの比較実験。光沢度はクリスタルガードの方が良いですが、複数回の塗り込み施行により薄キズが補修されたためか、ブリスの方が光沢が良く見える)

 という事は、古い車には効果があるのか・・・?

 実際に実験してみたところ、ある程度ボディに洗車キズや薄キズが多い車には効果的ですが、年式が古い車などでボディの塗装状態が極端に悪い車ではほとんど効果がありませんでした。クリスタルガードと同様に何度も繰り返して塗布作業しても光沢・ツヤも出ませんし、撥水・親水も全くと言っていいほど効果がありません。古い車には固形ワックスかアクアクリスタルの方が効果的ですね ^^

 その他、ガラス系の特徴でもある親水性もしっかりとしていますし、塗布の量が少なくて済む?ので経済的にも悪くはありません。コーティング施行時の「ムラ」対策がバッチリ出来れば、コーティング・キットとしては一番平均的な性能だと思います。

 ちなみに・・・、ブリスは短時間での重ね塗り効果がありましたが、1週間置き間隔での重ね塗り効果はどんなものでしょうか。約1週間置きに、3回の重ね塗り実験を行ってみました。


アクアクリスタル

ブリス

クリスタルガード

 いずれも画像の中央から左側がコーティング施行面。

 画像を比較してもらうと一目瞭然? だと思いますが、ブリスの重ね塗り効果はかなり優秀です! コーティング施行の回数を重ねる毎に塗装の薄キズを回復させ、かなり深みのある光沢が得られました! アクアクリスタルの表面上の光沢感とは全く違います。定期的に愛車のボディ・メンテナンスをされる方には、是非ともオススメしたいコーティング・キットですね〜。

C まとめ

 実験結果でも分かるように、新車からある程度の年数を経過し、洗車キズや小キズの多くなった濃色車(黒や紺などの色の濃いボディ色)には一番のオススメです(キズだらけ等・・・、極端に塗装状態の悪いボディは除く)。

 ちなみに、かなり本格派のコーティング・キットなのに、新車・未使用車や、ボディの塗装状態が良好な車等にオススメしないのは、「ムラになりやすい・・・」というのがあまりオススメしない理由です ^^ 新車でいきなりムラは避けたいですから・・・。

 ムラになりやすいのが根拠ではありませんが、白ソリッド(パールなどを含まない単色の白)の車にもオススメ出来ます。

 白色の車は色褪せが多いのをご存知ですか? 白ソリッドは塗装面の特徴もあって、車の使用環境によってはかなりボディが傷みやすくなっています。つまり、白色の車には浸透性・被膜をしっかり形成するコーティングが理想というわけです。ブリスの「小キズ消し能力」が優秀なのは被膜の浸透性が優れている・・・という事なので、特に野外駐車の白ボディの車の方にはオススメ〜 ^^)/ (さすがに長期に渡る劣化実験までは出来ませんので、私の個人的な持論と実験結果による根拠が基になっていますが ^^)

 
 最大のブリス効果を得るには、意外と 「手間と時間」 が必要です! ボディ・メンテナンスに手間暇をかけたくない人にはあまりオススメ出来ないかも・・・。

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サイト管理人スペック: 車屋さん下積み時代には、一時期、磨きコーティング部門の責任監督&新人研修指導にあたった事も。(地元大手中古車販売店) ちなみに業界歴は、中古車や新車はもちろんのこと、外車ディーラーの経験までも。 今は小さな車屋さんを経営しております。

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