クリスタルガードの体験レビュー、及び分析結果

 「手軽で長持ち!」を前面に売り出している「クリスタルガード・シリーズ」。家庭用コーティング・キットで一番の問題とされる「ムラ」になり難く、重ね塗りによる厚い皮膜形成を可能としたガラス繊維系コーティング・キットです。

 ガラス系では「ブリス」と比較される事も多いですが、手軽でありながら効果・光沢度にも優れ、根強いファンがかなり多いのも事実。 ※ なお今回の実験には、一番売れ筋の「クリスタルガード・ワン」を使用しました。

@ 製品成分など

 製品成分は「クリスタルガラス繊維、セルロース、フッ素重合体、ケイ素重合体」。

 ちなみに、重合体とポリマーは同じ意味。液性は中性。製品成分だけを見ると「ブリス」とほぼ同じ成分だと思いましたが、実際に使ってみるとけっこう違いはあるものです。

A 施行、作業

 他のコーティング剤に比べると、施行作業中に最も「コーティングしてる感」の手ごたえが強かったのが「クリスタルガード」でした。溶剤にも「粘り」があり、ボディに塗り伸ばしている途中で溶剤が薄くなると直ぐに分かります ^^ しかも! しっかりとしたコーティング感の溶剤なのに、多く塗り込みすぎてもムラになり難く、家庭用コーティング剤の中でもかなり作業性の良い商品です

 但し、作業性が良くムラになり難いといっても立派なコーティング剤ですから、溶剤の乾燥には気を付けて作業をしましょう〜 ^^)/

 クリスタルガードの溶剤成分には洗浄成分が含まれていないようですが、ちょっとした雨染み程度なら擦れば取れるようです。しかし、水アカで汚れたままの白系・淡色系の車の場合には汚れの上からコーティングしてしまいますので、コーティング前にはしっかりとした下地処理が絶対に必要でしょう。

B コーティング効果、特徴

 濃色車へコーティング後の光沢感は、間違いなく「ブリス」よりも深い光沢感を得られました。アクアクリスタルのようなピカピカとした光沢でもなく、黒色の持つ深い光沢にさらに磨きがかかった・・・とでも言いましょうか ^^ また「ブリス」のように、初回の施行作業ではあまり効果が出ないと思っていたのですが、予想以上に初回施行から十分な光沢感が得られ、業者向けの液体コーティング剤に一番近い仕上がりになりました。

 洗車キズや磨きキズなど、かなり細かい薄い小キズであれば「キズ消し能力」も十分に発揮します。コーティング被膜がボディのクリア層に付いた薄い小キズにしっかり浸透するので、特に濃色車では深い光沢が得られるのかもしれませんね〜 ^^ (※ 薄キズの「キズ消し能力」は、超微粒子コンパウンドによるボディの磨きキズにて実際にテストした結果をまとめています。キズの深さは目視で確認出来ませんが、光の反射する角度によって薄いキズが発見できる程度です(日影では判別不可能)。日影でも薄キズと判別できるレベルの傷には効果はありません)

 ちなみに、アクアクリスタルでは「キズ消し能力」は確認出来ませんでした(効果なし)。

 ブリスの「キズ消し能力」はクリスタルガードよりもやや優れている様子・・・。

 散水実験では、ガラス繊維系コーティング剤の特徴でもある「親水性」にも優れ、運転席から見たボンネットの風景写り込み具合も「ガラス系のツヤツヤ〜!」と言える良い感じです。

 しかし、塗布 → 流して再塗布 → 流して再塗布 ・・・というような短時間での重ね塗りは全くと言っていいほど効果が確認出来ず、当日に何度も塗布するような作業性では「アクアクリスタル」や「ブリス」の方が良いかもしれません。


ブリス(中央より左側)

クリスタルガード(中央より左側)

 上記の画像は、短時間での重ね塗りの実験結果。1回目の塗布ではクリスタルガードの方が光沢感がありましたが、3回程度の重ね塗りを行った場合にはブリスの方が光沢感が出てきました。実験の対象車はかなり小キズの多いボディだったので、小キズ消し能力の差で光沢感が違ったのかもしれません。(コーティング処理による小キズ消し能力は、ブリスの方がやや上なので・・・)

 ちなみに・・・、塗装の傷みが多い車ではあまり高い効果を得られませんでした。かなり多めに塗り込んでも光沢が出ませんし、親水性も全くと言っていいほど発揮出来ません。キズの多い古い年式の車には、明らかに固形ワックスの方が見た目の効果があります。

 それから「クリスタルガード」は、時間を置いての重ね塗りを前提に開発されているそうなので、約1週間ごとに数回に分けて塗布実験も行ってみました ^^ 実験は3回の重ね塗り。他のガラス系と並行して実験を行ってみました。


アクアクリスタル

ブリス

クリスタルガード

 いずれも画像の中央から左側がコーティング施行面。

 画像だけを見るとあまり効果が無さそうですが、時間を置いた重ね塗りの効果は間違いなく得られています。ただ、思ったよりも光沢感がイマイチだったので、写真写りが・・・(原因はボディの塗装状態があまり良くなかった為?)。

 コーティングの被膜形成による薄キズの回復効果もあり、深みのある光沢も得られましたが、時間を置いての重ね塗り効果もブリスの方が数段上のような感じ・・・。(明らかに、ブリスの重ね塗り効果の方が優秀でした・・・) やはり、塗装状態の悪い車には不向きなコーティング・キットですね・・・。

C まとめ

 初回のコーティング作業で十分な光沢が得られ、コーティング・ムラになり難い作業性の良さもあり、ボディの塗装状態の良い黒や紺系などの濃色車には最適です。

 コーティングによるキズ消し能力はブリスに比べるとほんの少しだけ劣っているようですが、新車や未使用車(新古車)、比較的年式の新しい車には、ボディ・カラーを問わず一番のオススメです ^^)/

 新車などボディ状態の良い濃色車でコーティング・ムラは絶対に避けたいので、特にコーティング初心者には絶対にオススメ!

 先ずはクリスタルガード。施行作業の手際もつかめますので、どうしても効果に納得いかなくて買い換える場合にも 「ある意味」 効果的〜 ^^

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サイト管理人スペック: 車屋さん下積み時代には、一時期、磨きコーティング部門の責任監督&新人研修指導にあたった事も。(地元大手中古車販売店) ちなみに業界歴は、中古車や新車はもちろんのこと、外車ディーラーの経験までも。 今は小さな車屋さんを経営しております。

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